Akiko's Snoopy World屋島旅行記


2009年8月26・27・28・29日

屋島旅行記 その4

28日
ホテルで朝食を摂り、迎えに来てくれた従兄弟の車に乗り込む。
まずは父の実家のあった辺りへ。

屋島西町の交差点を過ぎ 細い道に入ると、「通ったことがある」という確かな記憶がよみがえる。
けれどすぐさま その記憶はかき消される。それもそのはず、従兄弟が「ここや」と車を止めるが、そこには新しい家々が建てられていた
旧宅 現在
記憶を辿るは困難。(左が以前の門構え 右が現在の様子)
「ここにお風呂があって…」 「あぁ、こっちネσ」
「玄関がこっちに…」 「いや、あっち…」
の従兄弟とのやりとりに、「全然ちがうじゃねぇか」と

しばし眺めていようが、感慨が湧くには記憶が乏しく、ただただ もっと来ておけばよかった の想いが強くなるばかり…、と父の実家跡地から去ることに。

「さて 次は何が見たい?」と従兄弟が訊ねる。
「塩田」
「…今 塩田があるのは…」
「この辺になかったかしら?」
「この川の向こう、昔は塩田だった。今は埋め立てられて…」
「昭和40年頃のことよ」
「そのころにも まだあったかもしれん」
「じゃ、それだ。父に連れられて見に行ったのは。『前はずっとあっちまで塩田だった』って父が言ってたわ。埋め立てが進んでたのね」

従兄弟がカーナビで塩田のあった辺を指し示す。
実際の塩田を見る必要はない。走っている車の横を流れる川の向こうには、記憶の中の塩田風景がはめ込み写真のように 私には見えるのだ。
塩田風景 (いつごろの風景なのか。父の本の中から拝借)

塩田の埋め立てられた住宅地を過ぎると 砂浜が見えた。
車から降りて眺める。
「お父ちゃまもここで泳いだのかしら?」
「まちがいなく 来とるやろ」 従兄弟のその言葉に、海はいっそう哀愁を帯びてみせた。
砂浜

遊鶴亭登山道と交差する場所に来る。
この登山道の先には屋島北嶺がそびえる。
遊鶴亭登山道入り口
姉が祖母から聞いたという 父の子供時代のエピソードはここが舞台かもしれない。
いや、ここだ、そうしよう!
そう決めて、私は引き返す。
しかし…近い将来、私はここを登りに来るかもしれない。父の面影を求めて…。

---つづく---
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